セントローレンス・マーケットのファーマーズ・マーケット

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トロント市民の台所として、生鮮食料品を提供するセントローレンス・マーケット。古くは19世紀のトロント誕生に深く関わるストーリーを持つ「Old York」エリアの中心的存在となっています。

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Final Design of the new St. Lawrence Market North, courtesy of Rogers Stirk Harbour + Partners

れんが造りの南棟と通りをはさんだ北棟は、現在大規模な改築中。「St Lawrence Market North Redevelopment Project(セントローレンス・マーケット北棟再開発プロジェクト)」は

(1)仮設マーケット棟の建設
(2)北棟の取り壊し
(3)新棟の建設

の3つのステージに分かれていて、計画によると250台のパーキングやトロント市のオフィス機能も備えた、まったく新しい4階建ての近代的なビルへと変貌する予定です。

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現在は第2段階が継続中で、実は先日、1831年にさかのぼる最初の建物の一部と思われるれんがが地中から見つかり、歴史的価値について専門家による調査が行われています。

http://toronto.ctvnews.ca/remnants-of-1800s-market-found-under-st-lawrence-development-1.2552756

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改築中のマーケット北棟には入れなくなっています。これは南側の正面入り口。

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記念のプラークはこの入り口の左側の壁にあり、マーケットの由来を知ることができます。工事中の仮設マーケット棟はすでに完成。営業を開始しているので訪れてみました。

行き方

セントローレンス・マーケットは、ユニオン駅目の前のフロント・ストリートを東に徒歩10分。散歩をする感覚で行くことができます。

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まずは、おなじみの南棟が目印です。

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南棟の横を通り、仮設マーケット棟に向かいます。

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正面に見える白いテントのような建物が、仮設マーケット棟。

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ジャービス・ストリートを渡り、西を向いた正面の様子。入り口は2箇所で、北側は野外マーケットになっています。

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れんが造りの南棟がすぐ北側に見えます。

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屋外マーケット

まずは屋外マーケットを歩いてみます。

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エンジ色のロゴをキーカラーに使っている真新しいテントが印象的です。

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土曜日の朝9時過ぎ、小雨が降っている天候でしたが、かなりな賑わいです。

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カラフルな野菜は、この日のために収穫されたもの。この新鮮さを求めて朝早くから訪れるトロント市民の目は、なかなか厳しいものがあります。

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コーンが皮付きのまま売られています。このトウモロコシは、カナダのファーストネーションズ(先住民族)の人々が何千年も前から、北米東部地域で栽培して食べてきた主食のひとつ。

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スリー・シスターズ(豆、スクワッシュ、トウモロコシ)と呼ばれる伝統食材は、トロントのスーパーでも今でも一般的に取り扱われています。写真の右上はスクワッシュ。スープなどにして食べます。

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大きなパンプキンは、秋の収穫祭を思わせるトロントの風物詩。もう秋ですね。

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ナイアガラのワイナリー地区からは、いちごなどベリー類やぶどう、桃などフレッシュなフルーツが届けられています。特に今年はドーナツ型をしたフラットな「dougnuts peach」がおいしいと話題でした。

http://www.thestar.com/life/2015/09/02/fresh-bites-its-a-peach-its-a-doughnut-its-a-doughnut-peach.html

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いちごと言えば、日本のいちごが甘くて美味しいのですが、現在日本で食べられている栽培いちごの原種は、チリ。クリストファー・コロンブスが北米大陸に到達したことで、これまで交流がまったくなかったヨーロッパと北米で大規模な交流が行われました。これをコロンブス交換 (Columbian Exchange) と言いますが、この時フランスの探検家によって持ち込まれたチリ産の美味ないちごと北米のバージニア種がフランスで交配され、それがオランダ船に乗って日本に持ち込まれ、さらなる品種改良が重ねられた結果、現在の日本のいちごになったというのです。

小粒でぎゅっと詰まったカナダ産いちごもまた、長く食べられてきたフルーツ。その味は今も受け継がれている、というわけです。

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生花店も人気のコーナー。

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花束を手に取る人を多く見かけました。

屋内マーケット

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一通り外は見たので、今度は屋内に入ってみます。お店はそれぞれ区画に分かれていて、はちみつ(手前のお店)、お肉、ソーセージ、パンやケーキ、野菜など多くのお店がひしめき合っています。

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山盛りの野菜。収穫したばかりであることが良くわかります。

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たまご屋さん。「Free Run」と書いてあるのは、いわゆる大量生産の鶏舎ではなく、大地を走り回って飼育されている状態で産まれたたまご、という意味です。値段は高めですが、美味しいです。

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フルーツ農家でこの時期限定でつくられる「Ontario Pure Apple Cider」。アップルサイダーの由来は、14世紀のイギリスにさかのぼる古い飲み物だと伝えられますが、カナダでは炭酸が入っていない、自然な状態で絞り出された純粋リンゴジュースのことを指します。

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当時は今のように飲料水が殺菌されていなかったので、アップルサイダーは安全な飲み物として長く愛飲されてきました。

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1リットルのボトルを買って、家で氷を入れて飲んでみました。酸味の薄い甘い素朴な味が、郷愁を誘います。現地ではカップでも飲めますので、ぜひ試してみてください。

マーケットストリート

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ちょうど仮設マーケット棟から北を向くと、左側の通りが「マーケットストリート」になっていて、新たにレストランやカフェなどが入るレストラン街になっています。

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パティオもあって、お天気の良いお昼時は、近隣のオフィスに住む人たちのランチを提供する場となっています。

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マーケットストリートを抜けて、フロント・ストリートに戻ると、ユニオン駅までの西行きはちょっとオシャレな感じになっているのも注目。

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19世紀から現代までのトロントの発展がわかる有名な風景。中央の建物は「グーダハム・ビル(Gooderham Building)」。グーダハムは19世紀にウイスキー醸造で大成功を収めた人物の名前。別名「The flatiron building」と呼ばれる三角形の特徴的なデザインは、最盛期の成功の証として当時をしのばせます。

土曜日のファーマーズ・マーケットは、午前5時〜午後3時まで行われています。

http://www.stlawrencemarket.com/