トロントに遊びにくる理由:「暮らす旅」のススメ

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「久しぶり!」かつてトロント在住だったCHIEさんが、ピアソン国際空港第一ターミナル到着ロビーに到着したのは、3月半ばのある日のこと。 彼女は「今は日本にいることが多くなってしまったけど」という、かつてのトロント在住者。

 今回のブログは「しばらく間があいたから、ほとんど旅行者気分」という彼女の2週間の旅に焦点をあて、そのエッセンスをエッセー風にご紹介してみたい。かつての在住者という厳しい目に、久しぶりのトロントはどう映ったのだろうか。 (空港と水族館以外の写真はCHIEさん提供)

出発は羽田から

 エアカナダ直行便でトロントまで約13時間。日本の出発は午後7時前だが、空港には午後4時には行っているという。
 機内の様子を尋ねると、現在(2016年3月)使われている最新機種787(ドリームライナー)は、「エコノミーの座席は相変わらずのサイズだったけど、キレイな画面でずっと映画を見て、飛行機ではできるだけ寝ないようにする」そうだ。これが彼女なりの時差調整法だという。
 実際映画の題名を5本ほど挙げていたから、フライト中は本当に寝なかったのかもしれない。

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ダウンタウンへは、どう行く?

 ダウンタウンへ向かうため、トロント国際空港でリムジンに乗り込んだのは午後6時過ぎ。

「空港とダウンタウンを結ぶ鉄道(UP Express)も、ユニオン駅までは便利だけど、そこから先は移動手段を変えなければならないので、結局リムジンあるいはタクシーに乗ってしまった方が面倒はないわね。ダウタウンまでチップ込みで80ドルほどで、鉄道の9ドルと比べるとほぼ10倍だけど・・・」

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 夕方のハイウエイは慢性的に渋滞するので、25分でユニオン駅に到着する鉄道は魅力的。それでも、最終目的地に着くまでスーツケースを持って乗り換えなければならないのは苦痛という。確かに、ユニオン駅から徒歩で行けるホテルなら鉄道を使った方が圧倒的に便利だが、在住者の場合はまた違った感想を持つのもうなずける。

 乗り換えを気にしなければ、9ドルでユニオン駅まで行き、タクシー乗り場からダウンタウンの中心部にあるホテルまではブロアあたりまでなら約15ドル(メーター料金+チップ)で行ってしまうので、合計25ドルも見ておけば良いだろう。これが往復になるから、安めのホテルを選んだ場合は1泊分の差額が出てしまうほど、かなりの節約になる。

トロント旅のレシピ

 トロント到着当日は、シャワーを浴びリフレッシュして夕食を取ったらもう就寝時間。翌日から始まる日程で楽しみにしていることはと伺ったところ、「お肉とかトロントっぽいエスニックなレストランに行きたいのと、ショッピング」と、以下のリストを見せてくれた。

イートンセンター
 Bath and Body Works
ハドソン・ベイ
 Drake General Store
ショッピング・モール
 Premium Outlet
 Eaton Centre
スーパーマーケット
 Whole Foods
 St.Lawrence Market
クラフトショー
 One of a Kind
レストラン
 Eggspectation
 Batch
 Ginger
 Mezes
 Shinobu
コーヒーショップ
 Tim Hortons
 Panera
アトラクション
 Repley’s Aquarium

 具体的な名前がずらりと並ぶのは、在住者ならでは。普段日本で過ごしているような感覚で、暮らすように旅する様子が見て取れる。

お土産はローカルのお店で見つける

 果たして彼女はどんなショッピングをするのだろうか?

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「普段からお世話になっている親しいお友達には、バッグをアウトレットで買って帰ると喜ばれるの。日本ではアウトレットに行ったことがないので、こっちで主人に連れていってもらうと、安いぶん自分用にも買ってしまうけど・・・。

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トロントに行くと伝えると、友達からはピンポイントで買ってきて欲しいというリクエストがあります。
 
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だいたいが観光的なおみやげ品ではないから、ローカルのお店やLoblawsみたいなスーパーとかを回ります。これはもう、普段の買い物よね。。。

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オーガニックで有名な『Whole Foods』がダウンタウンにあるので、散歩がてら何度か行きました。ここのお目当は、エコバッグ。見つけたら、お土産用に買うようにしているの。今はちょうど春の柄が出ていてラッキー。ある時と、ない時があって難しいけど、欲しいっていうお友達はたくさんいるのよ。

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ここに来たら、オリーブとかサラダも量り売りでプラスチックのコンテナに入れて買うことができるので、持って帰ってチーズと合わせてワインで一杯。なんてこともしちゃいます。

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そんな時は、LCBOというリカーショップ(酒屋さん)に寄ってお酒を買って帰ります。ワインはなかなか日本でお目にかかれない国のものがいっぱいあって、目移りしてしまうけど。。。日本へのお土産用に買って帰る人も多いわね。

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ちょうどクラフトショー『One of a Kind』の時期だったので、友達を誘ってカナダチックなものを探しに行きました。会場は広いので、ほぼ半日かけて見て歩いた後、紅茶とかクッキーとか、普段使いの気軽なものを買ったかな。1カ所で全部見られるのは、便利だとおもう」

 ショッピングに関して、ちょっとした不満もあるようだ。

「ちょっとだけカナダっぽいグッズのあるお店、お土産品的じゃないモノを探すのに毎回苦労するわ。トロントにもっとセレクトショップのような店が増えるといいのにと思う」

コスパのいいフードコートは、味もあなどれない

 「せっかくカナダに来たのだから、おいしいお肉料理やエスニック料理を気軽に食べるのが、トロントに来る楽しみ」だという彼女の場合、訪れるレストランのほとんどはかつて住んでいた時に通っていたお店だそうだ。
 
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「トロント市庁舎前を歩いていて、懐かしくてホットドッグを食べちゃいました。

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ソーセージの種類だけ決めて、あとはこんな風にして自分で好きなトッピングをのせ放題。ものすごいボリュームになっちゃうので、さすがに主人と半分こするけど、市庁舎前広場のベンチに座って食べているとのびのびして自由だなぁって気分に浸れるのが好きです。来た当初はホットドッグ1ドル+ポップ(飲み物)1ドルで合計2ドルだったけど、今はホットドッグだけで3〜4ドル。この10年でずいぶんな値上がりね。

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 今回エスニック料理で食べたいと思ったのは、タイ・ベトナム系とギリシャ系。日本だと本格レストランになっちゃうけど、トロントの一番いいところは、気軽なテイクアウトのお店で結構おいしく食べられちゃうことかな。クオリティーは高いと思います。
 特にフードコートは、タイ、ベトナム、ギリシャ、インド、アメリカ、寿司、中華などバラエティに富んだお店が一カ所に集まっているから便利ね。日本でも最近フードコートは充実してきたけど、トロントのような規模のものはないんじゃないかしら。

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 例えばイートンの地下にある『Urban Eatery』は便利だけど、ものすごい人でびっくりしました。ここの良さは、行くまで何にしようか決まってなくてもテイクアウト店が並んでいるから、その時の気分で選べるのがいいわね。

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今回ベトナムとギリシャ料理を中心にしたのは、野菜が多くて体調維持にもピッタリだから。テイクアウトにするとこんな風にボックスに入れてくれるので、持ち帰ってゆっくり食べることができてグッド。

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冬の今は温かいフォーも美味しくて好きです。昔良く行っていた『Ginger』っていう気軽なベトナム料理店があるんだけど、ここのはサイズ小だとランチにいいし、7ドルくらい(630円ほど)でお財布にも優しいの。」

 ランチはテイクアウト店やフードコートを活用するのは、かつての地元在住者ならではだろう。夕食はどうだったのだろうか?

「レストランでの食事は、どうしても一人あたり30ドル〜50ドルになってしまうわね。頻繁に行くわけにはいかないから慎重になっちゃうけど、結局以前から知っているレストラン3軒と口コミで探した新しいお店を1軒行きました。

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 口コミって言っても、トロントに住む主人がダウンタウンを歩いていて『良さそうな新規オープンのお店があるよ』って見つけてきたお店。オープンしたばかりでちょっと不安だったけど、地ビールを作っているパブ・レストランで、息子たちは地下の卓球場でピンポンしてたのは、いかにも今どきのトロントっていう雰囲気で楽しめました。

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 わたし的には、ギリシャ街のMEZESが美味しかった。日本でこんなに気軽にギリシャ料理を食べるのは難しいかも。

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それとShinobu。日本では食べられない巻き寿司は、懐かしい味。外国に来て寿司? って言う人もいるけど、ここは知り合いのシェフがやっているお店だから、いろいろおしゃべりしながら食事を楽しむの。近況報告とかね。」

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トロントで水族館に行く理由

 ショッピングにエスニック料理の他に今回特に印象に残ったことを伺ってみると、「2年前にオープンしたCNタワーの所にある水族館が、とても楽しかった」という。日本でも似たような水族館はあるけれども、と問いかけると、

「日本では逆に忙しくて水族館に行こう、とはならないかも。ダウンタウンの真ん中にあって徒歩で行ける、というのが行った理由の一番目。次に、水族館自体の作りがいろいろな角度から見ることができるようになっているのが新鮮でした。早速フェイスブックで知らせたら、トロント在住の友達で共感してくれる人が多かったわ」

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 普段は忙しくてきっかけがなかった場所に行ってみるのも、旅を楽しくする一つの方法なのだろう。

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 水族館はお連れしたのだが、入場チケットから「かわいい〜」と食いつき、ほぼ2時間ほど子供のように走り回っていたから、よほど楽しかったのだろう。ちょっと意外だったのも事実だ。

久しぶりのトロントで困ったこととは?

 何か困ったことがあったかどうかを尋ねてみると、「トロントは以前住んでいた街なので」という前置きの後に、こんなことを教えてくれた。

「一つとまどったのは、新型ストリートカーの乗り方がわからなかったこと。便利になっていくのは良いことだけど、旧型と新型で乗り方が統一されていない印象ね。まあこの辺はトロントらしいといえばそうなのだけれど・・・」

 確かにTTCの乗車システムはPRESTO移行中で、しばらくはこうしたことが続きそうだ。短期旅行者の場合、1日乗車券を活用するという方法が現時点では最も単純な解決策だが、12ドルと割高(1回乗車は3ドル25セント)なところが玉に瑕。4回以上乗り降りするなら、元が取れる計算となる。

「もう一つ、屋外と屋内の温度差が激しいので、厚手のコートを着て行くと荷物になる点。トロントの冬は寒いけど、PATHとか水族館とか屋内に長い時間いる場合は、コートを脱いだり着たり。でもこれは、日本でも一緒ね」

最後に、ひとこと

 トロントをオススメする理由があるとすれば? という質問を投げてみた。
 
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「自由なところが良いと思います。トロントは大都会だけど、ダウンタウンは小さいからだいたいが徒歩で行けてしまうのが便利。レストランは種類がたくさんあって、美味しいところが多いと思います。寒い冬はインドアになりがちだけど、お店もたくさんあるのでショッピングもそこそこ楽しめる点もいいと思います。

 私が住んでいた時は駐在とかお医者さんの家族が大勢住んでいたけど、今はワーキングホリデーで住んでいる日本人が多いと聞きます。住むと、また違った良さあるのがトロントなので、もちろん旅行で来る人も増えてほしいけど、住んでいる人にもこの街を楽しんでもらったら、嬉しいです」

 2〜3日の旅行でも、CHIEさんのようなかつての在住者による旅のスタイルは参考になるかもしれない。皆さんも、トロント流の「暮らす旅」を見つけてみてはいかがだろう?