カナダといえばメープルシロップ!メープルが有名な理由とは?

カナダのメープルシロップが有名な理由とは?

カナダの代表的な特産品といえばメープルシロップですよね。国旗にも描かれるカエデの樹液から作られています。過去記事「トロントでおすすめのお土産」でも紹介しましたが、日本でもスイーツの定番食材として幅広い年代の方から親しまれています。このページでは、カナダのメープルシロップの歴史や有名になった理由について解説していきます。

メープルシロップの歴史

カナダのメープルシロップが有名な理由とは?・歴史

まずは、メープルシロップの歴史について簡単に解説しておきましょう。
カナダは世界最大のメープルシロップ生産国として知られていて、そのうちの約7割がケベック州で生産されています。メープルシロップは、パンケーキのトッピングや料理の調味料として世界中で使われていて、カナダを代表する名産品として世界50か国以上に輸出されています。
メープルシロップの歴史は、カナダに入植者が訪れる500年以上前にさかのぼります。原材料となるサトウカエデの樹液(メープルウォーター)は、天然の糖分よりも甘く栄養価が高く、先住民のエネルギー源として古くから親しまれていました。
1600年代には先住民がメープルウォーターの採取方法を欧州からの入植者に伝え、1700年頃になると鉄の大釜でメープルウォーターを煮詰めて濃縮したシロップが作られるようになりました。
最初は木で作られた採取口と木の皮の器でメープルウォーターを集めていましたが、長い年月をかけて採取方法や製造方法が発展していきます。
1850年以降はアルミ製のバケツにメープルウォーターを集め、1960年代にはバキュームポンプシステムが採用されていきました。さらに、1980年代からは、逆浸透という技術がシロップの製造に利用され、原料に含まれる水分だけを濃縮することができるようになりました。技術の進歩により、古くからカナダで愛されるメープルシロップをより効率的に生産することができるようになりました。

メープルシロップの種類

カナダのメープルシロップが有名な理由とは?・メープルシロップの種類

実は、メープルシロップにはいくつかの種類が存在します。
それぞれ異なる特色や魅力があり、目的によって使い分ける事もメープルシロップの楽しみ方の1つです。

ゴールデン(デリケートテイスト)

ゴールデン(デリケートテイスト)は、最も色味が薄いメープルシロップと言われています。採取時期の初期に集められた「メープルウォーター」から作られ、光の透過率が100%から75%の基準値を満たすシロップが分類されます。採取時期が早いメープルウォーターは、糖分を多く含んでいるため、糖度を濃縮する際の加熱時間が短いといった特徴があります。その結果、透明度が高く色味が薄いシロップになります。貴重なメープルウォーターを使用するため、販売価格はやや高めに設定されています。
他のメープルシロップと比べると、液体の透明度が高く、黄色い蜂蜜のような見た目をしています。風味は最も軽く、繊細な味わいが特徴的なので、パン・果物・ナッツなどにかけて、シロップそのものの風味を楽しむのがおすすめします。また、メープル特有の香りやクセが控えめなため、砂糖の代わりに紅茶に入れたり、料理に使用することもできます。サラダのドレッシングなど加熱しない料理に使うことで、ゴールデン(デリケートテイスト)ならではの風味をより楽しむことができます。

アンバー(リッチテイスト)

アンバー(リッチテイスト)は、琥珀色をしたメープルシロップで、光の透過率が約74.9%から50%程度のものを指します。先程のゴールデン(デリケートテイスト)が作られるメープルウォーターの採取時期よりも後の3月末頃に集められたメープルウォーターを原料としています。一般的なメープルシロップとして知られているメープルシロップであり、流通しているシロップの多くがこの種類となります。日本人に最も馴染みのある味わい・仕上がりとなっているのでカナダ旅行のお土産としてもおすすめです。特に、カエデの葉の形をした瓶に入ったものは見た目も可愛らしく、お土産の定番として人気があります。
他のメープルシロップと比べると、メープルの香りが程よく感じられるまろやかな味わいが特徴的です。パンケーキやヨーグルトのトッピングなど、そのまま使われることが多い印象ですが、料理への使用にも最適です。デザートから普段の食事まで幅広く使うことができる、万能なシロップと言えるでしょう。

ダーク(ロバストテイスト)

ダーク(ロバストテイスト)は、一般的なメープルシロップよりも少し濃い色味をしています。4月頃に採取されたメープルウォーターが原料として使用されていて、光の透過率が約49.9%から25%程度のシロップが分類されます。加熱時間がアンバー(リッチテイスト)に比べて長いため、シロップが深みのある暗い色合いに仕上がっているといった特徴があります。名称に含まれる「ロバスト(Robust)」には、「コクのある」という意味があり、風味が強いためメープルシロップ好きの方に人気があります。
ダーク(ロバストテイスト)のシロップは、パンケーキなどに直接かけて濃い風味や香りを楽しむのも良いですが、料理への使用がおすすめです。蜂蜜や砂糖の代わりとして使用することができ、メープルシロップには他の調味料よりもカロリーが低いといったメリットがあります。また、複数のポリフェノール・カリウム・抗酸化物質などの栄養素を豊富に含んでいるので、美容や健康にも効果が高い食品です。

ベリーダーク(ストロングテイスト)

ベリーダーク(ストロングテイスト)は、カナダの最後のメープルウォーターが収穫された4月末頃に作られるメープルシロップで、黒っぽい色合いが特徴です。煮詰める時間が長く、スモーキーで強い風味を持つため、シロップそのままで食べることはあまりありません。主に料理の調味料や加工食品用に使用され、オーブン料理や煮込み料理に加えるとコクが出ます。また、クッキーやパン生地に混ぜたり、ドリンクに入れることもできます。メープル特有の香りが強く、ややクセのある味わいを持つため、好みが分かれるかもしれませんが、少量でもメープルの風味を楽しむことができます。

カナダのメープルシロップが有名な理由とは?

カナダのメープルシロップが世界的に有名な理由は主に2つあります。
・世界のメープルシロップの生産量の7割以上をカナダが生産している
・カナダの国旗のシンボルに採用されている

世界のメープルシロップの生産量の7割以上をカナダが生産している

記事冒頭でも解説しましたが、世界最大のメープルシロップの生産国です。世界中の7割以上のメープルシロップはカナダで作られています。世界的なシェアを獲得しているといった点から世界中でカナダのメープルシロップが有名になっています。

カナダの国旗のシンボルに採用されている

カナダの国旗には、シンボルとして「カエデの葉」が使用されています。メープルシロップが採取できるカエデを国旗に採用した事で外国の人に自然と「カナダ=メープルシロップ」といった印象を与える事ができたと言われています。

まとめ

今回は、カナダの名産品であるメープルシロップの歴史・種類・有名な理由について簡単に解説してみました。世界中で販売されているメープルシロップの7割以上のシェアを誇る、国旗に使用しているなど、カナダのメープルシロップが有名になった理由はいくつもある事がわかりました。