【トロント歴史建築巡りVOL.5】コマース・コート・ノースタワー(Commerce Court North)

トロントの歴史と文化のエスプリが薫る建築物たちをご紹介する、トロント歴史建築巡りシリーズ。今回はトロントの金融街にそびえ立つコマース・コートの歴史あるオフィスビルをご紹介します。

Photo: Commerce Court

キング・ストリート・ウエストとベイ・ストリートの南東に位置するコマース・コート。東西南北の複数のビルで構成されるこの商業施設は、トロントのダウンタウンの金融街のど真ん中にあります。
この施設のビルの1つ、北側にあるコマース・コート・ノースタワーはトロントの経済発展の歴史を語る上でかかせない象徴的なビルです。

Photo: Commerce Court

コマース・コート・ノースタワーは、カナディアン・バンク・コマースという当時のカナダを代表する銀行(現在のCIBCの前身)の本店ビルとして、1931年に完成しました。

Photo: Commerce Court

34階建てのこのビルは、当時イギリス連邦諸国内で最も高いビルとして注目され、カナダ中のエリート層がここで働いていたと言われています。

Photo: Commerce Court

当時の近代建築として注目されたこのビルは、フランク・ダーリンとジョン・A・ピアソンという2人の建築家ユニットにより手がけられました。トロントを拠点としたダーリンとピアソンは、このコマース・コート・ノース以外にも、ホッケーの殿堂やロイヤル・オンタリオ博物館(通称ROM)など、トロントの象徴的な歴史建築物の多くを設計しています。

Photo: Commerce Court

このビルの美しさを最も語るのが、入り口に入ってすぐに広がる1階ホール。

Photo: Mami from Tourism Toronto

このホールの高い天井に施された金色のアールデコのデザインは、古代ローマ時代の大浴場にあった天井デザインをモデルに設計されました。

Photo: Commerce Court

また32階の展望デッキの柱にほどこされた大きな顔も特徴的。当時はここから65キロ先まで見渡せたそうで、開業時から1970年代 までの間は一般の人も登ってここからの景色を楽しめました。

Photo: Commerce Court

残念ながら現在は非公開の場所となりましたが、ドア・オープンという毎年5月に行われるイベントの際には入ることができます。

当時一番の高さを誇ったこのビルも、トロントの経済発展に伴い、いまではすっかり他の超高層ビルに埋もれてしまい、トロントの摩天楼の景色の中から見つけにくくなってしまいました。

Photo: Commerce Court

それでもなお、トロントの金融街を歩いていると、変わらぬ美しさと存在感を放っていて、ついつい立ち止まって見てしまうほど魅力的な建物です。
上記のホール内にはいつでも入ることができるので、ぜひこの辺りを訪れた際には、中に入ってのぞいてみてくださいね。

Commerce Court North Tower
住所: 25 King St W, Toronto
Webサイト:commercecourt.ca

【トロント歴史建築巡りシリーズ】
VOL.4:ユニオン駅(UNION STATION)
VOL.3:オスグッド・ホール(OSGOODE HALL)
VOL.2:グッダーハム・ビルディング(GOODERHAM BUILDING)
Vol.1:トロント旧市庁舎(OLD CITY HALL)

(記事:Mami)