【トロント歴史建築巡りvol.2】グッダーハム・ビルディング(Gooderham Building)

トロントの歴史と文化のエスプリが薫る建築物たちをご紹介する、トロント歴史建築巡りシリーズ。今回はトロントでも有名な建築物のひとつであるグッダーハム・ビルディングをご紹介します。

ニューヨークの有名なフラットアイアンビルと同様の形状をとるグッダーハム・ビルディングは、セント・ローレンス・マーケットのすぐそばにあります。
細長い三角形の赤レンガ造りが印象的な建物で、その美しい形状から、写真家たちだけでなく、観光客にも人気の被写体です。

Photo: alyssa BLACK on Flickr

セント・ローレンス・マーケットから歩いて15分ほどのところにある人気のショッピングエリア、ディスティラリー地区は、かつてグッダーハム一族が、世界でも最も大きな醸造所を築き上げた場所。1882年に建てられたこのグッダーハムビルディングは、その醸造所のオフィスとして利用されていました。

1890年代のグッダーハム・ビルディング
1890年代当時
Photo: Library and Archives Canada

トロントのオフィスビルとしては当時では高額な18,000ドルの建設費がかけられたグッダーハム・ビルディング。
フラットアイアンと呼ばれる独特な三角の形状に加え、近代ロマネスクとゴシック様式の外観デザインや、トロントでもっとも古い電動式エレベーターなど、他にはないユニークな特徴を備えています。そうした貴重な価値が評価され、1975年にはオンタリオ州の建築遺産として保護指定されています。

Photo: brigachtal from Pixabay

そしてもう一つ、このビルのユニークな特徴が、ビルの西側背面に描かれたウォールアート。
1980年にカナダ人アーティスト、デレク・マイケル・ベサントによって描かれたこの絵は、3Dペインティングの技術を使い、実際よりも多くの窓が並び、壁のデザインが風に吹かれて飛んでいくようなリアルな表現がほどこされています。

Photo: S. Rae on Flickr

実はリアルに描かれたこの壁は、南側のフロント・ストリートを挟んですぐそばにあるパーキンズ・ビルディング(Perkins Building)の外観デザインを模倣したもの。
グッダーハム・ビルディングの本来の重厚なデザインと異なった、フランス・ルネサンス・スタイルのアーチ窓が、独特のコントラストを表現しています。

Photo: Industrious Photography via City of Toronto

このウォール・アートの前の噴水公園では、この2つの美しい建物を眺めることができるので、ぜひ足をとめてベンチに座りながらゆっくり見比べてみてくださいね。

Gooderman Building
住所: 49 Wellington St E

【トロント歴史建築巡りシリーズ】
Vol.1:トロント旧市庁舎(OLD CITY HALL)

(記事:Mami)