【トロント歴史建築巡りvol.1】トロント旧市庁舎(Old City Hall)

北米第四位の人口数を誇る都市、トロント。
カナダ国内でも商業の中心地として発展し続けていますが、街を歩けば、新しい高層ビルやコンドミニアムだけでなく、幾年もの時を重ねた建物が並んでいることに気付きます。
そこで今回から「トロント歴史建築巡りシリーズ」として、トロントの歴史と文化のエスプリが薫る建築物たちをご紹介していきます。

まずご紹介するのが、トロントのダウンタウン中心部にある、トロント・オールド・シティ・ホール。日本語では、トロント旧市庁舎と呼ばれます。

photo by Joseph Morris

1899年、トロントの建築家によって手がけられて完成。100年以上もの歴史を誇る、トロントでも指折りの巨大建築物で、1984年にはカナダの国の史跡のひとつに指定されています。

Photo by Rhys Wynne

ロマネスク様式の外観デザインは、荘厳でクラシカルな雰囲気。
かつてはカナダ最長として謳われた時計台もこの建物の特徴です。この時計が初めてその鐘の音を鳴らしたのは、1900年12月31日の真夜中。新しい年、そして20世紀が開ける瞬間でした。まさにトロントの20世紀を語る建物なのです。

photo by William James

トロント・オールド・シティ・ホールの歴史を辿ると、完成当時から1966年までは、トロント市議会の場として主に利用されていたことが分かります。

しかし、トロントの1960年代といえば、トロント・オールド・シティ・ホールの近辺にトロント・シティ・ホール(現市庁舎)やネイサン・フィリップ、イートン・センターといった、トロントの新たなランドマークの設立計画と遂行が実現されていた真っただ中。

Photo from The City of Toronto

そんな時代の変遷とともに、トロント・オールド・シティ・ホールは建物自体の取り壊しが検討され、全く新しい高層ビルとしての立て直し案が持ち出されていました。

なのですが……歴史を愛する多くの地域民の反対により、トロント・オールド・シティ・ホールはそのままの姿を維持することに。
現在では、トロントの裁判所として機能しています。
2001年から2005年にかけては、老朽化した外壁や時計などの補修や強化工事も行われました。

photo by Tony Hisgett

トロント・オールド・シティ・ホールは、現在は裁判所なので、観光地として一般公開されているわけではありませんが、セキュリティーゲートを通過して中に入ることは可能です。ホールや廊下や階段などを歩くと、歴史が感じられる美しいデザインや、昔使われていた鳥籠型エレベーターをみることができます。

また外壁の細部をよく見ると丁寧な職人技で仕上げられた彫刻(人間の顔や動物を模したものも!)が施されていて、一見の価値あり。
15分おきには、時計台が奏でるチャイムの音を聞くことができますよ。

トロントの歴史を語るダウンタウンの巨大建築。ぜひ近くを通ったらゆっくり見てみてくださいね。

Toronto Old City Hall
住所: 60 Queen St W
オープン時間:月曜〜金曜/8:00 a.m 〜6:30 p.m.
WEB: City of Toronto /Old City Hall – Toronto courthouse

(記事:Megumi)