【トロント歴史建築巡りVOL.6】セント・ジェームス教会大聖堂(St. James Cathedral)

トロントの歴史と文化のエスプリが薫る建築物たちをご紹介する、トロント歴史建築巡りシリーズ。
今回はダウンタウンを象徴する最も古い教会で、オンタリオ州の建築遺産にも指定されているセント・ジェームス教会大聖堂をご紹介します。

Photo: David Gates / St. James Cathedral

セント・ローレンスマーケットにもほど近いセント・ジェームス大聖堂は、地下鉄キング駅から歩いてすぐの場所にあります。

現在の形に至る以前のセント・ジェームスは英国教会が地元の人々に貢献するため、1797年に作られた木造の教会でした。トロント市ができる以前、まだヨークと呼ばれていた時代に、この教会ではアメリカとの戦争で負傷した人々の病院や、軍の駐屯地などにも使われていました。

 Image: Toronto Public Library / TRL, J. Ross Robertson Collection, JRR 262
現在の姿になる以前のセント・ジェームズ教会

トロント市制定の1年前には、ネオ・クラシック様式の石造りの教会として建て直されましたが、火事による何度かの焼失を経て、1853年に現在の姿の大聖堂として生まれ変わりました。

Photo: Larry Koester

19世紀にヨーロッパや北米で盛んになったゴシック・リバイバル様式デザインのこの建物は、中世ヨーロッパ建築を彷彿とさせる細部に渡る美しい装飾が特徴的です。

Photo: Jeff Hitchcock

特に内部から見るステンドクラスは美しさは、この大聖堂を語る上で欠かせないもので、場所により設置された時代やデザインも異なります。
大聖堂内の北東のステンドグラスは、ドイツのミュンヘンで制作され1882~1883年に設置されたもの。キリスト教のマタイ伝の物語に基づいた絵が描かれています。
西側の玄関に設置されているのは、1997年にエリザベス2世に捧げられたもので、この大聖堂の象徴である聖ジェームスが描かれています。

また大聖堂の背後にあるパイプ・オルガンも必見です。5,101本のパイプから成るこの大オルガンは、1888年に設置以来、何度も修繕や作り変えが行われて現在のような壮大なサイズになりました。

Photo: paul bica

2週間毎の火曜日午後1時と日曜日午後4時には、オルガン演奏も行われているので、教会のWebサイトのスケジュールでチェックして、チャンスがあればぜひその壮大な音を聴きに訪れてみてください。

Photo: Ahmed Dawn

この教会は365日いつでも開いていて、地元や教会のコミュニティーの場に利用されていますが、誰でも入ることができます。
ダウンタウンの喧騒から離れ、旅の合間に、ちょっと静かで神聖な時間を持つのにおすすめの場所なので、セント・ローレンス・マーケットを訪れる際に、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

St. James Cathedral, Toronto
住所: 106 King St E, Toronto, ON M5C 2E9
Webサイト:stjamescathedral.ca

【トロント歴史建築巡りシリーズ】
VOL.5:コマース・コート・ノースタワー(Commerce Court North)
VOL.4:ユニオン駅(UNION STATION)
VOL.3:オスグッド・ホール(OSGOODE HALL)
VOL.2:グッダーハム・ビルディング(GOODERHAM BUILDING)
Vol.1:トロント旧市庁舎(OLD CITY HALL)

(記事:Mami)